茶と未来をつくっています。
大分県中津市耶馬溪町の山あいの小さな集落で、私たちはお茶を作っています。大きな工場でもありません。険しい山の斜面に広がる茶園と、霧と、季節の移ろい。その中で、茶葉を摘み、香りを確かめ、少しずつ手をかけながら、毎日を重ねています。もともと、自然の中で手を動かすことが好きでした。土に触れ、葉の声を聞き、目の前の素材と向き合う時間が、何よりも心地よかったです。あるとき、この土地の時間そのものが、お茶の味になることに気づきました。急がず、無理をせず、ただ丁寧に続けること。茶園のそばには、小さな居場所が生まれ、人が集い、お茶を飲み、またそれぞれの暮らしへ戻っていきます私たちが作っているのは一杯のお茶でもあり、この土地の未来でもあります。
Yabakei
奇岩に囲まれた、耶馬溪という場所
耶馬溪は切り立つ岩山と深い谷が連なる、全国でもめずらしい景観をもつ地域です。その独特の自然が評価され、耶馬日田英彦山国定公園に指定されています。岩盤質の地形から生まれる水、朝夕に立ち込める霧、そして昼夜の寒暖差。この土地には、良質な作物を育てるための条件が揃っています。私たちの茶園は、そんな奇岩に囲まれた耶馬溪の一角にあります。国定公園内という制約のある環境だからこそ、自然と共にある豊さのかたちが、今も残されています。
Tenjiku
山奥深く、わずかな空間にだけひらけた場所があります。蛍茶園の茶園は、耶馬溪の岩山に囲まれ、空と大地が近く感じられる一角にあります。私たちはこの場所を、先祖代々「Tenjiku(天竺)」と呼んできました。朝は霧が茶園を包み、昼には青空と新緑が広がります。自然の流れに手を添えるように育てることで、茶葉は静かに力を蓄えていきます。
自然の叡智が息づく、蛍茶園の茶園
Hotaruchaen
お茶とお菓子そして作り手のいる場所
蛍茶園はお茶とお菓子を通して、土地の時間と、人の手仕事を伝える場所です。山に囲まれたこの場所で、日本茶インストラクターである私が、茶葉と向き合い、一杯のお茶を仕立てています。そして、和菓子とかき氷職人である妻が、素材の声を聞きながら、お茶に寄り添う甘味を作っています。私たちは、作る人の顔が見えること、味の背景が伝わることを大切にしてきました。蛍茶園は、夫婦で営む、小さな茶園であり、お店であり、未来へつながる場です。